2007年08月31日

Charlie Parker: Swedish Schnapps (Verve)

Swedish Schnapps

パーカーを聴くならなにから聴いたらいいかという質問はよく出るものですが、自分の場合を振り返ってみると次のような順番で求めていきました。最初に買ったのはこのブログでも散々触れていますが With Strings。これを買った頃は、途中で出てくるオーボエやハープなんかにも耳を傾けていましたが、それでも徐々にパーカーのラインを聴き取ることができるようになり、"April in Paris", "Summertime", "Just Friends" などを好んで聴いていました。気をよくして次に買ったのが On Dial Vol. 1 です。たぶん帯のフレーズを読んで買ったのでしょう、驚きました。16曲入っていると思って買ったら同じ曲が出てくるわ出てくるわ、そう「別テイク」です。CD時代ならスキップで飛ばしたりプログラム再生できますが、LPだとそうも行きません。ジャズを聴き始めた頃なので訳も分からず、ライナーノーツを読むと「テイクごとにアドリブ・フレーズの全く違うところが驚きだ!」などと書いてあるわけですが、こっちとしては「3曲も同じ曲が続くところが驚きだ!」なわけです。「途中で切られた曲が出てくるのはもっと驚きだ!」なわけです。

おまけに連続攻撃が終わって、1曲ずつ違う曲が入っていると思い安心したら、これが「ラバーマン・セッション」。聴いていて「え゛ーっ!」となります。なんか陰鬱で辛そうな演奏が4曲も続いているのですから。今の耳で聴けば、パーカーが何をやっているのか、テイクごとにどう違ってどう優れているのか、「ラバーマン・セッション」がどれほど天才の不思議さを伝えているのか、などなど理解できるわけですが、当時としてはさっぱり、「意味わかんねぇ」とはこのことでした。「変なレコード掴んじゃったなぁ」というのが正直な感想です。

次に買ったのが今日紹介する Swedish Schnapps でした。油井先生が「ヴァーヴのバードはダメだと言うが、『スウェディッシュ・シュナップス』や『ナウズ・ザ・タイム』を聴いてみたまえ。素晴らしいから」と何かで書いていたので買い求めたわけです。本当は「ヴァーヴのバードはダメだ」と言われていることすら知らなかったのですけれどね。

このアルバムはブルースが多く吹き込まれている点と、マイルス入りのセッションが聞ける点が特色です。

1曲目 "Si Si" はFのブルース。ソロ1コーラス目のGm7-C7のところで、典型的なパーカーの節回しが炸裂します。2,3曲目の "Swedish Schnapps" はB♭循環。3曲目(別テイク)のサビの部分で優れたアドリブが聴けます。ジョン・ルイス(p)も味のあるソロを取っています。4,5曲目 "Back Home Blues" はCのブルース。ここでも1コーラス目のトゥーファイブで入念な節が聴けます。パーカーのソロは5曲目(別テイク)のほうがよいような気もしますが、ちょこっととちっているのでお蔵入りされたのでしょう。6曲目の "Lover Man" は、あの「ラバーマン・セッション」から5年。今回は見違えるようによくなったかというと、不思議なものでなんとなくぎこちない。エンディングはパーカーがたまにやるクラシック音楽のパロディーです。

7曲目はCDだと "Blues for Alice" ですが、LPではB面1曲目の "Au Privave" でした。CDで7曲目に来たのは、この曲が上の6曲と同じ51年8月8日のセッションだからで、正しい順番に戻したといえるでしょう。 "Blues for Alice" はFのブルースで、パーカーの中では比較的遅めの160です。これは "Billie's Bounce" と同じぐらいなので、B♭7のところで上のルートから下のルートまでダラララと落ちていく、典型的な手癖フレーズが出ています。

8,9曲目が "Au Privave" でFのブルースです。ここから51年1月17日のマイルス入りのセッション。これも名作でマイルスもなかなか張り切ったソロをとっています。10,11曲目の "She Rote" は「アウト・オブ・ノーウェア」のコードを使ったオリジナル。ミュートのマイルスが優れています。若きマイルスの代表的なミュートソロといえます。

12曲目の "K.C. Blues" はかなりゆっくりとレイドバックした感じのCのブルース。K.C.とは「カンザスシティー」のこと。マイルスのぎこちないソロを挟んで、パーカーが自由自在にソロを繰り広げます。13曲目 "Star Eyes" はスタンダード。こういうスタンダード曲のテーマ解釈は、まさに「ウィズ・ストリングス」を彷彿とさせます。自由に崩しながらテーマを吹いたあと、マイルス、ウォルター・ビショップのソロが続き、再び自由に崩したパーカーによるテーマ演奏が聴けます。

CDだとここに "Segment", "Diverse", "Passport (1 & 2)" が追加されますが、この4曲が共に2ホーン(アルトとペット)のクインテット編成で、これが加わることで「ヴァーヴのクインテットが網羅される」という事情から追加されたわけです。 "Segment" と "Diverse" は同じ曲のテイク違い。逆に "Passport" は1と2になっていますがまったく別の曲で、1がブルース、2は循環です。「別テイク」などと書いているサイトがありましたが、間違いです。

セッションデータはパーカーに加えて、1-7がレッド・ロドニー(tp)、ジョン・ルイス(p)、レイ・ブラウン(b)、ケニー・クラーク(ds)で1951年8月8日、8-13がマイルス(tp)、ウォルター・ビショップ(p)、テディー・コティック(b)、マックス・ローチ(ds)で51年1月17日です。追加曲(14-17)はケニー・ドーハム(tp)、アル・ヘイグ(p)、トミー・ポッター(b)、マックス・ローチ(ds)で、49年5月5日の吹き込みです。

posted by G坂 at 19:10| jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The Golden Age of Benny Goodman (RCA)

Complete BG

ベニー・グッドマンからジャズに入ったことは以前にも書きましたが、ラジオ番組を通してパーカーやマイルス、コルトレーン、バドらに出会ううちに、「一体ベニー・グッドマンはジャズや否や」という本質論というか唯名論的命題にぶつかるわけです。まじめだったんです 8) グレン・ミラーまで行ってしまうと、「アドリブ」の部分まで全部同じ(書き譜)なので、「これはジャズではないな」と言えるのですが、ベニーの場合は微妙。そこで昭和の高校生として一大決心をして、近く来日するベニー・グッドマンを聴きに行き、同時にRCA全集を購入して聴き倒すと決めたわけです。そうなると軍資金が必要になり、近所の中学生に英語を教えて小遣いを稼ぐかたわら、中華料理屋でアルバイトをはじめました。ところがこの中華料理屋の職場環境が劣悪なことこの上ない。仕事で一番つらいのは業務のハードさではなく、人間関係が悪い時ということは今になれば常識ですが、この人間関係がよくなかった。とにかくみんな仲が悪く、コック同士がいがみ合うことしばしば。一人のコックが帽子を床に叩きつけて出て行ってしまい、仕方なしに私が餃子を焼いたり、青椒肉絲を炒めて出したこともありました。免状を持っていない私が料理を作るなんて違反だと思うんですが、料理は楽しいものの、人間関係がこの調子ではインボルブされたあとのことが思いやられ辞めたくなりました。そこでレコード買いは英語バイトの給料を貯めることにして、とにかくベニーのコンサート費用が溜まった頃合を見計らって「辞める」と告げました。因業なオーナーは言を左右にして安く使い叩ける高校生バイトを引き止めましたが、「辞めます、お給料は働いた分だけ貰います」と言い張って辞めました。

そんな苦労をして日本武道館で開催されたオーレックス・ジャズ・フェスティバルにベニーを聴きに出かけましたが、これがよくない。変なコーラス娘を連れてきたりしてシャリコマだし、コンボ演奏でテディー・ウィルソンとミルトン・ヒントンが張り切るものの、ベニーと意思疎通が出来てなくて別のセッションを同時にやっているよう。むしろおまけのように考えていた、ベニー・カーターやハリー・スイーツ・エディソン達のセッションのほうがずっとよかった。いや、かなりよくてこちらはライブ盤も買い求めました。

ということでベニーはやっぱりジャズではないんじゃないかと思い、RCAの全集も買わずにおこうと思いましたが、「まあ、今はジャズでないにしても、全盛時代はジャズだったのかもしれない」と思い直し、働いたお金で買ったのが写真のボックス・セット(9,000円)です。オーケストラの代表的名演とスモール・コンボの全演奏を収録した6枚組みです。いやぁ、聴き倒しましたよ。親から「耳につく」と苦情が来るまで聴きました。その結果出した結論は、1)バンドが素晴らしいのはスター・ソロイストと、2)フレッチャー・ヘンダーソン楽団のアレンジと、3)ジーン・クルーパー(ds)のおかげであり、4)コンボ演奏はベニー含めてみんな凄いということでした。というわけで子供G坂ジャズ検定に合格したわけです。

特にスモール・コンボはモダン・ジャズ的な耳でかなり批判的に聴き込みましたが、それでも凄さに変わりはない。ライオネル・ハンプトンが加わった吹込みから「ジャズ度」がグンとアップするところも面白いです。このレコードには入っていませんがチャーリー・クリスチャンが入るとさらに「ジャズ度」が高まるのですが、その頃には残念なことにジーン・クルーパが抜けています。

さてジーン・クルーパがとびきり優れているのは1937年2月3日のセッションです。この日のジーンは神がかっています。スイング史上最高のスモール・コンボのドラマーに神が舞い降りたのですから、このセッションがスイング時代最高のセッションといっても過言ではありませんが、まあレスターの「レディー・ビ・グッド」セッションのほうが上ですね。しかし、この日のセッション、曲としては "Ida, Sweet as Apple Cider", "Tea for Two", "Running Wild"の3曲が凄い。ジーンが凄いので当然全員凄くなるわけです。モダン・ドラムとは趣向が違いますが、アート・ブレーキーにも匹敵する繊細さと潔さで歌うリズムを叩き出しています。必聴曲です。

ベニーRCA時代の選集はCD時代になっても数多く編まれていますが、上の3曲が入ったものを下に挙げておきます。現在は入手不可ですがサンプルが聴けます。

posted by G坂 at 01:14| jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月30日

The Panassie Sessions (RCA)

Pannasie Sessions

こういう選集を編めるところに日本のジャズ研究者やファンのレベルの高さが表れているんじゃないかと思える一枚です。面白いことに "panassie" のワードでAmazon USを検索してみると、"Import" つまり輸入盤で本作がヒットします。案外、日本のほうがジャズに対する理解が深いのかもしれませんが、これは今に始まったことではなく、このアルバム自体が、アメリカ以外の国におけるジャズ理解の深さを示しているわけです。本作のライナーノーツで、油井先生はこのセッションの由来について次のように書いています。



ユーグ・パナシェ(1912-74)は、フランスの古城に住む足の不自由な青年だったが、ジャズ界に最初に現われた偉大な評論家であった。わずか22歳で書いた "Le jazz hot" (英訳)『ホット・ジャズ』は、まさに啓蒙の書であり、この本によって、アメリカを含めてジャズははじめて知識人の鑑賞の対象となったのであった。私自身この本によって人生を変えられたひとりであり、感動した初版英訳本は未だに大切に保管している。

このパナシェが1938年、RCAの求めに応じて、はじめてアメリカに渡り、4セッション17曲を監修した。

この渡米を聞いたエディー・コンドンは「おいおい、フランスの若造が俺たちにジャズのやり方を教えに来るとよ。俺たちもフランスに葡萄酒の作り方を教えに行くべえか」といった。この毒舌は今も昔も変わらないアメリカ人気質を表している。ジャズを生んだのはアメリカ人だから、アメリカ人以上にジャズを知っている国民はいないという自信である。

しかしアメリカに任せておいたなら、トミー・ラドニア(1900-39)の偉才は、永久に埋もれたままになってしまったろう。またでディー・バン(1909-78)のソウルフルなギターとヴォーカルが、当時のファンを感動させたのも、このセッションによってであった。

パナシェ・セッションは、1938年という時点で全く知られていなかったニューオリンズ・アンサンブルの力強さと醍醐味を、意識して採り入れた点で、シドニー・ベシェ=ラドニアの「ニューオリンズ・フィートウォーマーズ」の諸作と共に、歴史的な価値を残したといえる。

ジャズ研究者の眼がジャズ誕生の地ニューオリンズに向けられたのは、このレコードが世に出たことが契機になっており、名著『ジャズメン』の出版(1939年)によって、バンク・ジョンソンやジョージ・ルイスの再発見につながったのであった。



その4セッション17曲が収められたのがこのレコードです。最後の「バンク・ジョンソンやジョージ・ルイスの再発見」とは、すなわち「ニューオリンズ・リバイバル」のことです。ジャズの最初期の姿は録音が残っていなかったために分からなかったものが、彼らの再発見によって明らかになったわけです。再発見というのはこの二人がミュージシャンではなく、それぞれトラックの運転手と沖仲士をしていたためです。しかしこれが却って幸いし、最初期の姿を保つのに役立った。というのも、彼らがプロのミュージシャンを続けていたら、時代と共にスタイルも変化して原形をとどめていなかったであろうからです。

このアルバムの聴き所は、まず2曲目 "Really the Blues" です。プレイ・バックを聞いたメズ・メズロウ(cl)が涙を流し「こんなブルースらしいブルースを聴いたことがない」と言ったそうです。タイトルはそこからつけられています。

4曲目 "Weary Blues" はシドニー・ベシェとトミー・ラドニアのニューオリンズ・アンサンブルが力強く、このアルバムでも屈指の名演。

8曲目の "If You See Me Comin'" は、上で油井先生が触れていたテディー・バンのギターと歌が聴ける感動的なブルース。

11曲目 "Come on with the Come On" には面白いエピソードが残っていて、トミー・ラドニアと共演者のシドニー・ドパリスとの間に揉め事があった喧嘩セッション。以下はライナーノーツから:
パナシェのアイデアはキング・オリヴァーのレコードにきく、2トランペットを再現することであった。相手がシドニー・ドパリスと聞いた途端、トミー・ラドニアは一瞬いやな顔をしたという。ドパリスはニューオリンズ・スタイルではなく、スイング・イディオムで育った。当時としてはモダンなスタイルだったので、パナシェは充分に意図を話してスタジオに入れたのだが、コーラスが進むにつれて、ドパリスはリフやグロウルを入れ、ラドニアが怒り出して妙な音を出したり、吹き止めたりして、結局のところ、失敗作となってしまった。

聴いてみると、そんなに破綻してはいないようですが、確かに「ニューオリンズ・スタイル」とは呼べないような演奏になっています。

16曲目 ""The Blues My Baby Gave to Me" は、以前に紹介した『ジャズの歴史』にも収録されていた演奏ですが、フランキー・ニュートンのシンプルなトランペットが味わい深い1曲です。

このアルバムはJazz Masters SeriesというシリーズでCD化されましたが、現在のところ廃盤になっているようです。再発を願って下にCDへのリンクを張っておきます。収録曲に関しては、以前にアップロードしたジャズ栄光の巨人たちのカタログでも分かります。

posted by G坂 at 00:07| jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月27日

Ella Fitzgerald: Ella in Berlin (Verve)

Ella in Berlin

このジャケット・・・・社会活動に熱心なオバサンにこういう顔した人いますよね。このジャケットはCDになってよくなった(サイズが小さくなったから)ものの一つでしょう。私は残念なことにLPで持っています 8) きっかけはタモさん司会の昭和の名番組『今夜は最高!』にゲストとして出ていたジャズ・シンガーの金子晴美さんが「私がジャズ・シンガーを目指したのは、エラの "How High the Moon" を聴いたことです」とおっしゃっていたからです。一人の人間の人生の方向を変えるほどの力を持ったアルバムなら聴いてみたいと思い、早速千葉市で買いましたが、ジャケットを見て一瞬躊躇したのは事実です・・・

CDだと「完全版」と銘打って、MCや追加曲も含まれているようですが、私のLPにはありません。追加曲は "That Old Black Magic", "Love Is Here to Stay", "Love for Sale" そして "Just One of Those Things"の4曲です。

さて後半2曲、すなわち "Mack the Knife" と "How High the Moon" がこのアルバムのハイライトとなるわけですが、これはさすがに凄い!私も最初聴いたときはぶっ飛びました。「マック・ザ・ナイフ」は途中から歌詞を忘れ(たフリをし)て、"Oh What's the next chorus" と歌詞を作り変えてからが盛り上がります。ボビー・ダーリンやサッチモに敬意を評した歌詞に作り変えつつ声色を真似ていきます。サッチモのスキャットもそのまま真似ます。さすがです。これで会場を興奮の坩堝に叩き込んだエラさんは、続いて "How High the Moon" に取り掛かります。MC入りの完全版でも同じ曲順なので、この通りの順番で歌われたのでしょう。最初は気持ち速めのテンポで快適にスイングしながら歌詞を1コーラス歌います。そのあとドラムがフィルインしてテンポが速くなり、作り変えた歌詞をちょこっと歌ったあとスキャットに入り、いろんな曲を引用します。最初は "Ornithology"。まあ「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」のコード進行を使った曲だから当然といえば当然でしょうか。その後「モップ・モップ」、「南京豆売り」、「ティスケット・ア・タスケット」、「ソルト・ピーナツ」、さらにはヨーデル、「ヒート・ウェイブ」、アラビア風の歌、そしてコーダは「煙が目に染みる」になっています。これらを一分の隙や停滞もなく展開していくところは圧巻です。

エラは前もって準備して練習し、それを板にかけるタイプの歌手で、いわゆるその場のアドリブというわけではないのですが、それにしてもあのテンポで落ちることなく歌いきるのは、並大抵の歌手では不可能です。

このアルバムにも慣れてきてしまうと、最初の驚きは逓減して「ああまたか!」という気持ちになり、むしろサッチモとのデュオなどのほうが味があってよく聴くようになります。それでもまだ聴いたことがない人は聴いてご覧なさい。CDで買うのが勿体無ければ「マック・ザ・ナイフ」と「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」だけでもお聴きなさい。

上記2曲以外では「サマータイム」がとても優れた演奏です。

ちなみに冒頭で『今夜は最高!』について触れましたが、別の回で(確か泰葉さんがゲストだった時)この「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」のスキャットに別の歌詞を載せてタモさんや泰葉嬢などがリレーで歌っていました。ものすごい番組ですね。

posted by G坂 at 22:39| jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Dexter Gordon: Our Man in Paris (Blue Note)

Our Man in Paris

イギリス人の老婆が名作と聞かされて『ハムレット』を見た後、感想を聞かれてこう言ったそうです:「何が名作なものかい!諺を引用してつなぎ合わせているだけじゃないか?」実際には、『ハムレット』が出典となって、後に諺となったわけですが、面白いエピソードだと思います。デクスター・ゴードンを聞くと、同じように色々なフレーズが引用されていることに気づくわけですが、彼の場合はシェークスピアとは違って実際に引用しているわけです。あまり引用が多いので、テーマに戻ったとき、「ずいぶん長い引用だな、丸々1コーラス引用しているじゃん!」と思ったことすらあるほどです。まあ作り話ですけれどね・・・ 8) しかし、デクの特徴はずばりこの引用フレーズとあまり細かいことは気にしない吹き方です。したがってデクファンの人は、引用フレーズが出るたびに「また出た!」といって喜ぶわけです。

このアルバムは1963年渡仏した折、すでにパリに居を構えていたバド・パウエルやケニー・クラークらとともに吹き込んだ演奏です。最初の予定ではケニー・ドリューが参加するはずでしたが、急遽バド・パウエルが参加したものの、バドの精神状態のせいで新曲を演奏できず、手馴れたスタンダードとバップ曲を演奏することにしたそうです。

1曲目 "Scrapple from the Apple" は "Honeysuckle Rose" のコードを使ったパーカーの曲。非常に勢いがあり、デクは競馬のファンファーレやブルースでよく用いられるリフ、さらに4バースでは「52丁目のテーマ」の一節を自在に引用しながら目くるめくアドリブを展開します。

2曲目の "Willow Weep for Me" はもともとがブルースっぽい進行を持っている曲ですが、けだるい感じでぶっきらぼうな演奏をします。テーマの吹き方からして独特です。フレーズ終わりの全音符や2部音符は単調さを避けて吹くものですが、ここでのデクは「ブッブー」とワンパターンに吹きます。しかしこれがデク独特の雰囲気をもたらして、結局やったもん勝ちのようなところで圧倒的に演奏が成立しているわけです。アドリブに入ると「オールマン・リバー」などを引用しながらレイドバックしてくつろいだソロを展開します。

3曲目の "Broadway" はベイシーのところでやったレスターの演奏が有名ですが、デクも出発点はレスターでした。アドリブに入るといきなり単音の繰り返しというロリンズ流の入り方をします。盛り上がってくるとオルタネート・フィンガリングを使ってみたりベンドさせてみたり、ハーモニックス(フラジオ)を出したりと、サックス奏法のショーケースのよう。このアルバムのハイライトと言ってもいいでしょう。エンディングのバドがカウント・ベイシー・スタイルのなのも楽しい。

4曲目 "Stairway to the Stars" はデク流バラード解釈の典型で、"Willow Weep for Me" と同様、伸ばすべき音を「ブッブー」とぶつ切りにしています。彼のバラードは甘さを排除して、決してムード・テナーに陥らないものです。

5曲目のバップ・チューン ""Night in Tunisia" では「サマータイム」のフレーズや中東風のフレーズを出したり、パーカッシブトーンを使ったりと、やはり乗りに乗っています。バドのピアノソロ、ケニー・クラークのドラムソロもよい。

ケニー・クラークというドラマーは手数というかおかずが多くて、時にうるさく感じられるのですが、ここではデクがわざと単調でぶっきらぼうな吹き方をしているので、それを上手く補って相性がよく聞こえます。バドは中ぐらいのコンディション。ただコンピングだけでもバドだと分からせる個性はさすがです。ベースはフランスの名手ピエール・ミシュロ。この人は映画『ラウンド・ミッドナイト』でもデクと共演しています。

このアルバムは曲の親しみやすさ、メンバーのよさ、デクスターの個性が全開と非常によく出来た作品です。下のCDにはレコード時代にはなかった2曲が追加されているようです。最後の "Like Someone in Love" はバドのトリオ演奏かもしれません。

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2007年08月25日

John Coltrane: My Favorite Things (Atlantic)

My Favorite Things

コルトレーンの "My Favorite Things" はメディアジェニックな曲なのかも知れませんね。以前にタモさんがNHK-FMの特番でやったジャズ番組のテーマ曲がこれでした。また、伊東四郎主演のテレ東サスペンス「狂った計算〜灼熱のニュータウン殺人事件」でも、この曲が重要な役割を果たしていました。聞き込みの最中に「忌中」の張り紙が貼られた家を訪ねると、別の部屋から「マイ・フェイバリット・シングス」が流れていて奇妙に思う伊東四郎演ずる近松丙吉が、徐々に犯罪を暴いていくストーリーで、この曲が事件を解くポイントとなっていました。またクラシックの赤坂達三(cl)の同曲がJR東海のCMで流れていることはご存知の人も多いと思います。

さて、ミュージカルの傑作といわれる『サウンド・オブ・ミュージック』から出たこの他愛ないといえば他愛のない曲を、コルトレーンはモーダルに解釈して全く異次元の演奏に仕立てます。まるでアラビアやインドの呪術的な音楽のよう。しつこいしつこいスケールの畳みかけがそれを助長します。またこれらが組み合わされたせいで、コルトレーンの吹くソプラノ・サックス自体がシャナイというインドの民族楽器のような音色を感じさせるわけです。これが一種のコルトレーン・マジックです。

シャナイの音色(.wav)

ソプラノ・サックスはシドニー・ベシェ〜スティーブ・レイシーという偉大な例外を除けばジャズの世界ではそれほど用いられていなかった楽器ですが、コルトレーンがここで復活をさせます。この楽器、ピッチが取りづらい上にポジションによって音色のばらつきが激しい楽器なのですが、コルトレーンの棒状態が上手く作用して(本当は猛練習したんでしょうが)このアルバムでのトレーンは音痴ではなくなっています。高いところが弱いコルトレーンでしたがソプラノはもともと高いですしね。

A面2曲目の "Everytime We Say Good By" も雰囲気があっていいですが、これはほとんどメロディーしか吹いていないですね。ここではソプラノのせいもあって高域の怪しさも消え、棒吹きもこのコール・ポーターの曲想にあって名演に仕上がっています。

B面1曲目の "Summertime" はテナーに持ち替えています。音数の多いコルトレーン・スタイルで吹き上げています。これは「サマータイム」の演奏としてはシドニー・ベシェ、パーカーに並ぶ屈指の名演だと思います。これに匹敵するのはむしろジャズではなくて、ロックのジャニス・ジョップリンぐらいかもしれない。エルヴィンのソロも歌いに歌っています。

最後の曲 "But Not for Me" もテナー。しかし「フシが違うよ」と言いたくなるようなテーマの吹き方。これは原曲のよさがあまり出ていない割りに、コルトレーン独自の味付けもなくて野暮な演奏です。

CDではLPにはなかった「マイ・フェイバリット・シングス」の別テイクが収録されているようです。

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2007年08月23日

John Coltrane: Soultrane (Prestige)

soultrane

コルトレーン・ファンには猛烈な人も多くて、むかし「ディグ」だか「イントロ」だかでコルトレーンのことで揉めて、ビール瓶を割って相手の胸に擬した、なんておっかない話を聞くとコルトレーンのことは穏便に語っておいたほうが無難かなとも思います。特に私の場合、インパルス後期がダメなのですが、そんなこと口にでもしようものなら、猛者たちから「じゃあ、『バラード』でも聴いてろ!」と怒られそうで、おまけに『バラード』が「後期」以上に好きではないので、口答えしてしまいそうで怖いわけです。もっとも、そんな事件はかなり昔の話で、今では「ジャズファンの決死隊」みたいなことしている人はいないから大丈夫でしょう。

「コルトレーンの音痴ジャズ」と言ったのは寺島さんですが、これは言いえて妙です。後期の精神世界を除いてコルトレーンの欠点といえるのものが、高域での音痴ぶりとバラードの棒吹きです。高域のほうは徐々に直ってくるし、ソプラノに持ち替えてからは気にならなくなります。棒吹きは、一番つくづくなのが件の『バラード』で、これはひどい。しかし物によっては表情豊かなバラードを吹いている例もあって、このアルバムも二つのバラードで魅せられるアルバムです。

その1つが2曲目の "I Want to Talk about You"。冒頭いきなり頓珍漢というか素っ頓狂な音から始まります。「ああ、大丈夫かなぁ」と心配が頭をよぎりますが、テーマもたどたどしい吹き方。サビの一番高いところなんか音が痩せちゃってますよ。しかし、アドリブに入るとそのたどたどしさが逆に効果を発揮して味となっていきます。畳み掛けるようなフレーズも非常に魅力的に響きます。そのあと、なぜか異常に長いピアノソロ(2コーラス)とベースソロ(1コーラス)のあとサビからコルトレーンに戻ってカデンツァを吹ききり、コーダに入ります。この曲とは余程相性がよかったと見えて、後に何度か吹き込み『ライブ・アット・バードランド』では冒頭のカデンツァとともに名演となるのは多くの人がご存知の通りです。

もう1つが4曲目の "Theme for Ernie"。こちらは以前に取り上げたブルックス・ブラザーズのCDにも収録されていたバラードです。音痴度もたどたどしさもこちらのほうが良くなっているけれど、その分ちょっと平凡かな?という印象です。やはり頓珍漢でも素っ頓狂でも2曲目のほうが「らしさ」もあるし味わいも濃いと思いますね。

最後のスタンダード "Russian Lullaby" (ロシアの子守唄)は、原曲とはまったく違うチョッパヤでバラードではありませんが、これは「シーツ・オブ・サウンド」の典型といわれています。

メンバーはコルトレーンのほか、レッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。下のCDは画像が出ていませんが紙ジャケで、音質も改良された盤なのでよいと思います。

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2007年08月22日

Joe Lovano: 52nd Street Theme (Blue Note)

Lovano

以前はジョージ・ガゾーン、ジェリー・バーガンジー、ジョー・ロヴァーノといったプロフェッサーズを頑張って聴いていましたが、結局興味をつなげずまとめて売り払ってしまいました。こういう人たちはいわゆるミュージシャンズ・ミュージシャンで、私みたいな素人が聴いてもあまり面白くない。理に走りすぎて情感や雰囲気に欠けるからです。そんな中で唯一手元に置いておいたのが、この 52nd Street Theme

まずタイトルがよい。52nd Streetとは、マンハッタンの52丁目のこと。マンハッタンの場合南北に走る通りを "Avenue"(番街)と、東西に走る通りを "Street"(丁目)と呼ぶわけですが、52丁目は、40年代半ばまでジャズ・クラブがひしめき合い、あるクラブでチャーリー・パーカーがやっているかと思えば、隣のクラブではビリー・ホリデイが歌い、おまけに向かいのクラブではルイ・アームストロングがラッパを吹いている、といった文字通りジャズ・パラダイスでした。しかしある時期を境にこのジャズパラダイスは消滅します。52丁目の繁栄と衰退についてはマイルスが『自伝』で詳しく述べています。また、映画『バード』では、これを上手く映像化し、パーカーがニューヨークに戻ってみると今まであったクラブが全部ストリップ小屋に変わってしまって、彼が呆然とするシーンが印象に残ります。何か魔法が解けたように、「あの52丁目は」忽然と消え去ってしまったという印象を多くのミュージシャンが語っています。私自身この街の名前が好きで、以前持っていたレンタルチャットの部屋名も「52丁目」でしたし、このブログのミラー(ウェブリブログ)も"52nd Street"というタイトルで、URLもhttp://52street.at.webry.info/です。

次にノネット(9重奏団)なのでハーモニーが深い。最近はSharpのAquosのCMにしても、真矢みき嬢のウェラのCMにしても、ビッグバンド風のBGMで特に倍音成分も豊かなサックスのソリがフィーチャーされているものが人気のようですが、このアルバムも実に深いハーモニーで整然としたアンサンブルが聴けます。この方面で特におすすめなのが1曲目 "If You Could See Me Now" と2曲目 "On a Misty Night" などです。また11曲目と12曲目は相関関係にあって、11曲目 "Abstractions on 52nd Street" はロヴァーノのサックスソロ、それを受けてモンクの名曲 "52nd Street Theme" (52丁目のテーマ)につながるという趣向です。

ロヴァーノのワンホーン物だったらきっと他のものと一緒に売り払ってしまったと思いますが、このアルバムはアンサンブルとソロとの案分もよく、今でもたまに取り出して聴いています。現代版『クールの誕生』といったところでしょうか。

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Pat Martino: Plays Standards (SME)

Plays Standards

マイミクさんにもなってもらっている尊敬すべきギタリストのみきみきさんに「パット・マルティーノを聴くなら何がいいですかね?」と尋ねたことがありました。ちょうどオフミを兼ねたセッションで「酒バラ」をやる予定もあったので『イグジット』を紹介してもらい、早速買いに行きました。ところがこれが売ってないの。たぶん再発の端境期に入ってしまっていたのでしょう。仕方なしにレコード屋であれこれ見ていると、この『プレイズ・スタンダーズ』を発見しました。裏を見ると、これはコンピで上手いことに『イグジット』からも「酒バラ」を含む3曲が収録されていることが分かり、迷わずこれを購入しました。

家に帰って封を開けてみると、更に上手いことに「酒バラ」の譜面が入っていました。コピーしてみましたが、もう16分のところなんかお手上げなので8分でラインを真似たりしていました。同じ頃、ちょうどサックスの師匠から「酒バラ」でアドリブラインを作ってごらん、と課題を出されていて、B♭m−E♭7のトゥーファイブのフレーズで悩んでいたので、「サックスだしバレねぇだろう」と思いながらマルティーノのフレーズをコピーしたら、「なんだかギターみたいなフレーズですね」と見抜かれちまいました 8)

このコンピは5枚のアルバムから代表曲をピックアップしてまとめたものです。1〜3曲目は Footprints から。私が特に好きなのはボサノバの "How Insensitive"。ジョビンの曲でテーマだけでも哀愁がありますが、そのムードを生かしながらもすごいソロを取るマルティーノには感服します。4曲目の "Sunny" 1曲は Live! から。ブルースのようなしつこい畳みかけが凄いです。

5〜8までは Consciousness からの4曲。"Impressions" がなんといっても印象的です。ギターだとモーダルな曲の場合優れたフレーズ感が必要になるんですが、これは自然なソロが繋がる優れた演奏です。7曲目のオリジナル "On the Stairs" は、チョッパヤで正確なフレーズを繰り出すマルティーノの頂点を極めた作品だと思います。まあ、よくここまで弾けること!

そして9〜11が Exit からチョイスされた曲です。みきみきさんが推薦するとおり、どれも凄い。9曲目が "Days of Wine and Roses" つまり「酒バラ」。しかし何なんでしょう、このテーマ。はっきり言ってぼんやりとした弾きかたです、ハキハキしていない。にもかかわらず、そのニュアンスが深い。だからテーマが終わってアドリブに入るところにでてくる16分がくっきりと際立つわけです。「酒バラ」をギターで弾く時はこう弾くべきだといえるような名演です。それに続くギル・ゴールドスタインのピアノソロも、ある種の潤みを帯びた音色で短いながらも優れたものです。10曲目の "I Remember Clifford"。 この曲はリー・モーガンのオリジナル以外だと、バド・パウエルの止まりそうで止まらない、ギリギリのところで圧倒的に成立する名演がありますが、このマルティーノも優れています。ある寒い冬の晩、ウォークマンにこの曲を録音したテープを入れて聴きながら歩いていたら、マルティーノのアドリブの部分で不覚にも涙を流しました。寂しさの本当の意味を知る男の演奏なのでしょう、一種のハードボイルド的ソロです。それに続くゴールドスタインも哀愁のある音色で涙を誘うソロを取っています。

最後の12曲目 "Lament" はJ.J.ジョンソンの曲で、これまた哀愁のある名曲です。アルバム We'll Be Together Again からの1曲。エレピを弾くゴールドスタインとのデュオでしみじみとした演奏に仕上がっています。

現在はむしろこのアルバムのほうが廃盤らしいので、関連アルバムを2枚ほど下に挙げておきます。

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2007年08月20日

Hank Mobley: Dippin' (Blue Note)

Dippin

8・16に最高気温を更新してしまい、日本では猛暑が続いています。ジャズは秋冬の音楽と決まったものではないのでしょうが、暑い時にどのジャズを聴くのかには結構頭を悩ませます。もっともジャズのレコード鑑賞にとって猛暑というのは宿敵ですね。まず冷房をかけなくてはいけない。ただエアコンというのは冷房病の人につらいだけでなく、音を劣化させるんです。電気的なことではなくて、噴出し口からでてくる風や機械全体の振動が低音とかぶって低音部が非常に聴き取りづらくなる。次にアンプ。パソコンやモニターも暑いですが、アンプは尋常じゃないほど暑くなります。この熱エネルギーを電気エネルギーに戻してもっとパワーのある音聴かせてよ!といいたくなるほど暑くなって冷房の効果を弱めます。まあ、触った瞬間「アチッ!」となるほど熱いとメンテの時期に来ているんですが、そうでなくても「モワッ!」と暑いわけです。

去年書いたスタン・ゲッツの West Coast Jazz の記事では、夏には「クールサウンド」が合うと主張していましたが、あれはどういうわけか5月の記事で暑いといっても限度があったわけです。今年のように暑いときはどうするのか?一つにはジャズなど聴かず、冷房を効かせて大人しくしているという選択肢がありますが、もう一つ、もうお祭りのように熱いジャズを聴いて汗をかくという方法があります。今回紹介するハンク・モブレーのDippin'もそんなときにうってつけの一枚です。

ハンク・モブレーという人は、褒める人は「平凡な中にも味わいのある」と微妙に褒め、貶す人は「いもテナー」とはっきり貶すという、評価が真っ二つというよりは低いほうに傾いて二分されているテナー奏者です。事実油井先生の名著『ジャズ・ベスト・レコード・コレクション』ではたった一枚 (Peckin' Time) しか取り上げられておらず、そのアンダー・レイティッド具合も分かります。この人はよく言えば控えめ、悪く言えば個性に乏しいテナー奏者で、「俺が!俺が!」の並み居るテナー強豪たちの中ではどうしても埋没してしまうんですね。Dippin' でもサイドマンのリー・モーガンのほうが目立っていて、実際輝かしいプレイをしているほどです。私自身は割りと好きな人で出来るだけこの人のレコードを集めようとしていた時期もありましたが、結局情熱は長続きせずに中途半端なままで終わっています。

このアルバムは1965年6月の吹き込みで、4ビートやファンキーを飛び越えて、8ビートの演奏(いわゆる「『サイドワインダー』路線」)で吹き込まれた1枚です。メンバーはリー・モーガン(tp)、ハンク・モブレー(ts)、ハロルド・メイバーン(p)、ラリー・リドレー(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)です。1曲目 "The Dip" はモブレーのオリジナル。8ビートです。ソロの先発はモブレーですがモゴモゴしています。それに比べてテナーの後に出るリー・モーガンの凄いこと!冒頭の1音で人を惹き付けます。

2曲目にして永遠の名作ともいえる "Recado Bossa Nova"。この曲はブラジル人ジャルマ・フェレイラという人物の作曲。ゲッツのボサノバ路線とは違って、南国の哀愁ある熱帯夜の雰囲気を醸し出しています。この曲を夏に聴くと実によく合います。特にお祭りとか花火を見物しながら聴いていると、自分がいま日本の夏祭りにいるのかリオのカーニバルにいるのか分からなくなってくるほどです。我が家からはお祭りの山車や花火がよく見えるのですが、この曲を流しながら雰囲気を楽しんでいます。ポータブルプレーヤーを持っている人はこれを聴きながら夜店の雑踏を歩けば雰囲気出ること間違いなしです。もっとも、一人で夜店歩きをしてもちっとも面白くないですが・・・ここではモブレーのとつ弁スタイルも逆に効果が高く、テナー、ペットともに名ソロ、さらにピアノが情熱的なソロを展開しています。この曲は後にイーディー・ゴーメの『ザ・ギフト』として日本のCMに使われ、わが国でリバイバルしました。ちなみに小川隆夫さんによると、ニューヨークでモブレーに会ったので、この曲が日本でブームになっていることを伝えると、彼自身はこのセッションのことすら覚えていなかったそうです!

3曲目の "The Break Through" はモブレーオリジナルで4ビートのハード・バップ。65年ということを考えるといまさら感はあったと思いますが、現在並列的に聴けばよく出来た演奏です。続く "The Vamp" もモブレーの曲。ここでもモーガンが素晴らしい。5曲目 "I See Your Face before Me" はこのアルバム唯一の4ビート・スタンダードでバラード。モーガンの凡庸さがよい意味で発揮されて実に味わい深い1曲に仕上がっています。ここではリー・モーガンも出しゃばらず、控えめで短めなミュート・ソロを取って情感を盛り上げています。最後の6曲目 "Ballin'" は3拍子。3拍子だと4ビートの手癖が使えないせいで、なかなか緊張しますがリー・モーガンは即興のリフを上手く組み合わせたりして印象的なソロを取っています。モブレーも自作曲だし頑張ってソロをとっています。この人の場合、ハーモニック・アイデアに乏しいわけではなくて、きっぱりと言い切るためのアーティキュレーションがはっきりしないために、いまひとつの評価を受けているということがよく分かるトラックです。

実はこのアルバムを見直したのは、かつて行われていた「はり猫」のライブで、「リカード・ボサノヴァ」の情熱的な演奏を聴いたことがきっかけです。そのときも夏の宵で、町内会長みたいな人が着流しの浴衣で来店していて、中年以上の男性が必要以上に浴衣を着こなすとモーホっぽく見えるということを頭の片隅で考えながら聴いていました :lol:

ちなみにこのアルバムに限らず、赤主体のジャケットは色褪せしやすいですから気をつけたほうがいいですよ。私のなんか褪せて、もう半ばピンクです。

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2007年08月19日

マックス・ローチを悼んで

[ニューヨーク 16日 ロイター] テンポの速い「ビバップ」スタイルでジャズに改革を起こした米ドラム奏者のマックス・ローチさんが15日、当地で亡くなった。83歳だった。ジャズ専門の音楽レーベル、ブルーノート・レコードが16日に明らかにした。同氏の死因については公表しなかった。

 ローチさんは、1940年代後半─1950年代前半にかけてのビバップ隆盛期にジャズにおけるドラムの位置付けを新たに定義し、英雄的存在となった。

 同社スポークスマンによると、ビバップが登場前のジャズは、主にダンスホールで演奏されるスイングミュージックとされ、ドラムはバンドの拍子取りと位置付けられていたが、ローチさんが拍子取りからシンバルへとドラムの役割を変え、ドラムがより前面に出て重要な役割を担うようになった。また、その過程でジャズは一般的なダンスミュージックからクラブで鑑賞するより芸術的なものにシフトしたという。

 ローチさんはまた市民活動家としても知られ、これまでに奴隷制度や人種差別問題を提起した曲も作ってきた。(ロイター



ジャズの巨星がまた一つ落ちてしまいましたが、パーカーのダイアル、サボイ時代からドラムを叩いている人ですから天寿を全うしたと言えるのではないでしょうか。バド・パウエルの名作の数々もローチの太鼓だったし、『サキコロ』をはじめとしたロリンズの諸作、そしてクリフォード・ブラウンとの双頭クインテットなど50年代のジャズを強力に支えたドラマーでした。Blue Noteの歴史を扱ったDVD『ブルーノート物語』では、老いて関西芸人のような好々爺に見えるローチ晩年の姿を見ることができますが、本当は人種闘争の闘士なんですね。非常に面白いエピソードを紹介しているブログ記事を見つけました。

マックス・ローチにまつわる話(Jazzジャズ・Jazzy Bounce)

公民権運動時代のミュージシャンはミンガスにしても、アルバート・アイラーにしてもここで語られているようなエピソードがありますね。やはり当時の人種問題というのは部外者には窺い知れぬほど根深いものだったのでしょう。

晩年はバークレーで教鞭をとっていたと思います。

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Miles Davis: Kind of Blue (Columbia)

Kind of Blue

学歴社会から実力社会になったほうがいいと、学歴どころか「学」のない人がたまにご高説を述べていらっしゃいますが、そうなった時に真っ先に消えていくのはご自身だと分かっているのでしょうか?学歴社会ならば安定したコースに乗っていけば、ある程度の保証があるのに対して、実力社会といったら、あんた、実力すらないあなたには厳しい社会だよ、と言いたいわけです。

などと思いっきり皮肉を言っていますが、このアルバムとどういう関係があるんでしょう?『カインド・オブ・ブルー』を語るとき、いわく「コード進行の呪縛に囚われていたジャズ界を解放した」、「バップの限界を打ち破りより自由な演奏をもたらした」などという紋切り型が横行していますが、これと上の図式とがよく似ているなと思ったわけです。バップが呪縛であってモードが解放というのは、ちょうど「学歴」という呪縛から「実力」という解放に向かうという神話の相似形です。確かにIII-VI-II-Vをなぞっていればそこそこ形になるバップに比べてモーダルな演奏というのは何でもありで自由ですが、何でもありすぎで、そこに本当の実力がないと単なるスケールの上下になってしまう。でも、本当に本物の、それこそ0から一瞬にして作曲できて手癖に陥らず、おまけに人に感動を与えられる人物なんていうのは限られていますからどういうことが起きるのか?結局、バップの時と同じく「らしいストックフレーズ集」なんかが出回って、それを必死で覚えて当てはめていくという、解放でもなんでもない結果に終わっています。

マイルス自身は『カインド・オブ・ブルー』を「失敗だった」といっています。これは紛れもない事実です。しかし世の中にはいったん褒めてしまった言葉を取り消せない人も多いらしくて、『自伝』の記述を全く無視して声高に自説を語って、最後は「いいからいいのである」などと寺島さん顔負けのトートロジーで言い切ってみたり、奥歯に物の挟まったような遠まわしな物言いで『自伝』そのものを貶してみたり、果ては「訳者の中山康樹の誤訳である」などと談じているので、てっきり原文をご存知がと思って尋ねたら梨の礫だったり、「ここまで言えるマイルスはやはり偉いのである、そうなのである」と話を微妙に逸らせたり、色々工夫しているわけです。

私の考えだと、これを「失敗作」と言ったマイルスが実際に狙っていたのは、例えば第2次黄金カルテットや『ビッチ』、あるいは『アガルタ』『パンゲア』のようにゆるゆるフォーマットの上に実力者が一堂に会してインタープレーを行うようなスタイルだったのではないかと思うわけです。その狙いに比べて、『カインド』は曲構造こそモーダルだけれど、結局順番にソロを回し、おまけにキャノンボールに至ってはトゥーファイブに分解してソロを組み立てていたりして、結局バップの延長線上に過ぎないと思ったんじゃないか?こう推測するわけです。ポリフォニックな展開を期待していたのに結局モノローグが羅列されていくだけの展開。この辺のことをマイルスは敢えて「失敗作」と厳しく批判していると思うのです。

このアルバムの魅力は一言で言うと気配・雰囲気です。ベースソロから徐々に立ち上がってくるイキフン。これに尽きると思います。そして、これまでのジャズのように結節点を目指してドミナント・モーションを展開させて句読点を打っていくのではなく、常に浮遊した感じでうねうねと彷徨っていくソロ。このあたりが素晴らしいと思うわけです。『カインド』から遅れること40年、グレゴリオ聖歌ブームが来たり、エンヤブームが来たり、ビョークが流行したり。改めてマイルスの先見性を立証しているのは事実だと思います。

ちなみに私も「ソー・ホワット」を一度セッションでやりましたが、DドリアンからE♭ドリアンに変わるところが分からなくて、ピアニストに目で合図してもらっていました 8-)

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2007年08月17日

Art Pepper: The Art Pepper Quartet (Tampa)

The Art Pepper Quartet

アルバムのタイトルというのは重要なもので、いくら中身が名作であってもタイトルが凡庸だと食指が動かないことが多いものです。しかし、マイルスやその他何人かのミュージシャン、あるいはプロデューサーのように「トータル・コンセプト」を考えてアルバム作りをすることが比較的少なかったジャズ業界では凡庸な、というより区別のつきづらいタイトルを平気でつけているものが多い。以前に紹介した『バド・パウエルの芸術』も原題は Bud Powell。バド・パウエルの『バド・パウエル』ってのはいったいどういう料簡だ?と思うわけです。アルバム作りが丁寧だったBlue Noteにもハンク・モブレーの『ハンク・モブレー』というアルバムがあります。更に同じBlue Noteから『ハンク』というアルバムも出ていて、これらはもう凡庸を通り越して手抜き、努力目標の欠如を感じさせるほどです。しかし、ファンのほうはこれに対抗するために色々な手立てを尽くします。ハンク・モブレーの『ハンク・モブレー』に対しては、そのレコード番号1569をそのまま読んで「イチゴーロクキュー」と称してファンの間でコミュニケーションをとるわけです。

今回紹介するアート・ペッパーの The Art Pepper Qaurtet も同じく、特徴も個性もあったもんじゃないタイトルなので、ファンはこれを『タンパのペッパー』と呼び習わすことで意思疎通を図っているわけです。タンパ(Tampa)とはレーベル名。アート・ペッパーはタンパから2枚のアルバムを出していて、もう1枚は『マーティーペイチ・カルテット・フューチャリング・アートペッパー』といいます。

メンバーはアート・ペッパーのほかラス・フリーマン(p)、ベン・タッカー(b)、ゲイリー・フローマー(ds)、ワンホーンです。1曲目 "Art's Opus" は文字通り「アートの作品」。元歌は「君微笑めば」でしょうか、実に快適にスイングしています。2曲目のスタンダード "I Surrender Dear" はスローバラードとして演奏されることの多い曲ですが、やはりここでは快適なスイングナンバーとしてテンポ設定されています。これがなかなかよい。3曲目の "Diane" はアート・ペッパーの何番目かの奥さんで、薬中のペッパーの気をひくために自らも麻薬にのめりこみ、やがてガンに冒されて亡くなった人です。この頃はまだ恋人関係であったと思います。哀調あふれるバラード。4曲目 "Pepper's Pot" もアートのオリジナル。

そして5曲目 "Bessame Mucho"。これこそこのアルバムのハイライトで、多くの人を惹きつけている1曲です。原曲はもっとあっさりとした曲ですが、それを捏ねに捏ね、情緒纏綿、哀愁あふれるフレーズとおかずの嵐で見事な作品に仕上げているわけです。マイナーキーで日本人向きといわれますが、私もやはりこの演奏に見せられた口です。6曲目はブルース、7曲目のリフ曲 "Val's Pal" はどちらもペッパーのオリジナルです。

CDになって別テイクがドヤドヤと追加されましたが、上手いことに後ろにまとめてあるので、うるさく感じる人はプログラム再生で無視すればいいでしょう :-P

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2007年08月14日

Brooks Brothers: Slow Jazz (EMI-Capitol)

slow jazz
マイルスはコロムビアとの契約がまとまった頃から再び服に懲りだして、「ブルックス・ブラザーズや誂えのイタリア製スーツで決めていた」と『自伝』に書いています。またアート・ペッパーやリー・モーガンなど50年代ジャズメンのジャケットには「ブルックス・スタイル」で決めた写真が使われていたりして、ブルックスとジャズメンとの関係はとても深いようです。そのブルックス・ブラザーズがショップでかけるBGMをまとめた第2弾はバラードメインで、夜にかけると実によく合います。ただ、昼にかけて合うのか疑問です。()内は出典アルバム。


  1. John Coltrane: Theme for Ernie (Soultrane)

  2. Lee Morgan: Since I Fell for You (Candy)

  3. Paul Desmond: You Go to My Head (First Place Again)

  4. Hank Mobley: Little GIrl Blue (Message)

  5. Freddie Hubbard: Body and Soul (Here to Stay)

  6. Gerry Mulligan with Chet Baker: My Old Flame (Gerry Mulligan Quartet Vol. 2)

  7. Stan Getz: Autumn Leaves (The Complete Roost Session Vol. 2)

  8. Gene Ammons: Don't Go to Strangers (Boss Soul!)

  9. Miles Davis: You're My Everything (Relaxin')

  10. Dexter Gordon: I'm a Fool to Want You (Clubhouse)

  11. Coleman Hawkins: Laura (The Hawk Flies High)

  12. Chet Baker: Moonlight Becomes You (The Trumpet Artistry of Chet Baker)

  13. Art Pepper: Patricia (The Return of Art Pepper)

  14. Lester Young: I'm Confession' (With the Oscar Peterson Trio)


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2007年08月13日

Brooks Brothers: All Jazz (BMG)

brooks jazz

"Brecker Brothers"ではなくて"Brooks Brothers"、洋服屋のCDです。Brooks Brothersはアメリカン・トラッドのシンボル的なメンズ・ショップで、日本でもかなり知名度があります。私の場合は、学部時代入門ゼミでお世話になった板坂元先生がブルックス・マンだったのでボタンダウンシャツなどを買ったりしてましたが、就職を機に背広やブレザーなどをここで誂えました。ブルックスの特色はなんといってもボタンダウンのシャツと、ナチュラルショルダー・三つボタン段返り・ボックスシルエットの上着と、ノープリーツ・ストレートのズボンです。特にボタンダウンはブルックスの発明で、ネクタイを締めた時もノータイの時も、独自のシルエットを作り出すので、他メーカのものには代えられません。

ブルックス・ブラザーズが1998年に店内でBGMとして使用していたジャズ音源をコンピレーション化してショップで発売したのがこの二枚です。一枚目が All Jazz 二枚目が Slow Jazz。ブルックス・ブラザースのサイトで見つけて、八王子そごうのショップに無理を言って取り寄せてもらいました。もともとがアメリカの店内で流すために編集されたコンピレーションのため、BGMとして実に聴きやすい。現在では販売されていないようですが、自分のコンピを編む時のご参考になればと曲目を紹介します。

All Jazz
こちらはジャズ史的なコンピです。

  1. Black Bottom Stomp - Jelly Roll Morton's Red Hot Peppers

  2. Stealin' Apples - Frethcer Henderson and His Orchestra

  3. King Porter Stomp - Benny Goodman and His Orchestra

  4. When Day Is Done - Coleman Hawkins

  5. That Da Da Strain - Muggsy Spanier

  6. Boogie Woogie at the Civic Opera - Albert Ammons

  7. Blues for Alice: - Charlie Parker

  8. Down Under - Art Blakey and the Jazz Messengers

  9. There Will Never Be Another You- Chet Baker

  10. Desafinado - Stan Getz

  11. The Worm - Jimmy McGriff

  12. Sister Fortune - Keith Jarrett

  13. Beulah - The Harper Brothers

  14. Mr. Boogaloo - Groove and the Gang



Slow Jazzは次のエントリーで紹介します
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2007年08月12日

Chick Corea: Light as a Feather (Polydor)

Light as a Feather

現在松嶋菜々子が出演している「生茶」のCMのバックで使われている曲は "Spain" という曲で、そのオリジナルが収められているのがこのレコードです。CMで使われている美しくて印象的なメロディーを聴くと、どうしてもここは一発弾いてみたいなと思うんですが、この美旋律の前後に「もうどうにでもなれ」と言いたくなるほど超難しいリフがあるので、私もこの曲には触れずにそっとそばを通り過ぎています。

このレコードは1972年の録音で、演奏は「リターン・トゥー・フォーエヴァー」。チック・コリアのグループで、チックのエレピの外、ジョー・ファレル(fl, ts)、スタンリー・クラーク(b)、アイアート・モレイラ(perc)、フローラ・プリム(vo)で構成されています。第1作、その名も『リターン・トゥー・フォーエヴァー』(通称 "カモメ")に続いて同じメンバーで出されたこの第2作はフローラ・プリムのボーカルが全面にフィーチャーされ、曲もラテン〜ブラジリアンフレーバーがふんだんにまぶされていてかなりポップな作品です。

A-1 "You're Everything" はチックのオリジナルで、冒頭から鼻歌みたいなプリムの歌声が聞こえてきます。A-2の表題曲 "Light as a Feather" はタイトルどおり軽い感じで歌い流しています。チックも軽いタッチで弾いていきますが、後半ワーワーを入れたりして盛り上げテナーのファレルにソロを受け渡します。ファレルのソロはかなり燃え上がりベースに受け渡し、テーマとプリムの歌に戻って終わります。A-3 "Captain Marvel" はプリムのアーアアーコーラスも交えたユニゾンを句読点にしてファレルがフルートソロを展開します。フルートに続いてチックのエレピがスピード感あるソロを取っています。

B-1 "500 Miles High " はファレルのテナー、スタンリーのアコベのソロが素晴らしく、徐々に盛り上がりながらクライマックスにまっすぐ突っ込んでいくところが魅力です。B-2 "Children's Song " はスペインに入る前のインタールードみたいな曲。

そして "Spain"。ロドリーゴの『アランフェス協奏曲』を前奏に用いて一気にスペインのイメージを高めます。テーマは3つの部分に分かれていて、パート1は16分のフレーズから8分のリズムを強調した3小節、パート2はCMでも使われている印象的なメロディーの6小節(ここだけなら楽なんですけれどね)、そしてパート3は複雑を極めたリズムの7小節です。このメロディーを区切りにしてファレルのフルート、チックのエレピ、スタンリーのベースがそれぞれスパニッシュフレーヴァー豊かなソロを取っていきます。

下は輸入盤CDです。しかし、公平にいってこのアルバムを買うより「スペイン」だけを音楽配信コンテンツからダウンロード購入したほうがよいような気もしますね、、、っておい! {%punpun_a%}

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V-Disk All Stars Vol. 4: Bebop into Cool

Vdisk All Stars 4

Vディスクというレコードがあります。"V"とは "Victory" (勝利)の"V"で、第二次大戦中のアメリカの兵士慰問用レコードです。当然SPですが、当時としても割れやすいシェラックではなく、丈夫なビニライトを原料に使い、12インチだったそうです。戦後、これが進駐軍から払い下げになったり兵隊が小遣い稼ぎに売り出したりしたため、ジャズファンが集めたそうですが、私の生まれる遥か前のことなので私自身は全く知りません。戦争とジャズということでいえば、亡くなった「岡倉の父さん」、藤岡琢也さんは戦時中憲兵の目を逃れるために、敵性音楽であった好きなジャズを聴くために押入れにもぐって聴き、それでも音が漏れるので割り箸の先に木綿針をつけてレコードに載せ、反対側を耳に当てて聴いたといいます。割り箸が耳に痛いので、最後は小指の爪を細長く針のように尖らせてレコードにかけ、親指を耳の穴に差し込んで骨伝導で聴いていたそうです。油井先生は九十九里で高射砲の射手をしていて、千葉沖から進入してくる米軍機に高射砲を浴びせながら、「とにかくベニー・グッドマンが乗っているといけないから、当たらないように撃った」と講演会でおっしゃっていました。終戦とは日本のジャズとジャズマンにとっては一種の解放であり、それが気分として現代にまで続いていて、好戦的なジャズマンとかナショナリストのジャズマンというのが少ないのは、こういったわけなんです。

さて、そのVディスクですが、80年代に徳間によりテーマごとにLP化されて発売された時、ちょうどジャズに嵌り始めていた私も選びに選んでは少ない小遣いで購入しました。当時のLPの中に挟まっていたカタログが出てきたので、紹介します(本家ブログにあります)。

全部を購入したわけではないのですが、ポイントを抑えつつ求めました。今回紹介するのは、Vディスクの中では珍しくモダン・ジャズものです。確かに終戦が1945年、Vディスクは48年まで製造されていたそうで、バップがあっても当然なのですが、「前線のスクエアーでコーニーな兵隊が聴くのかな?」という疑問が残ります。またこの盤に収められている演奏は1949年のものもあったりして、いったいいつまで製造されていたのだろうということも疑問ですが、こういう疑問は専門家に任せておこうと思います。

A面は全曲パーカーのクインテットの演奏で、1949年クリスマスイブのカーネギーホールの演奏です。ジャケット裏には12/23となっていますが、最新の資料だと24とされているのでたぶんこちらでいいと思います。メンバーはパーカー(as)、レッド・ロドニー(tp)、アル・ヘイグ(p)、トミーー・ポッター(b)、ロイ・へインズ(ds)というレギュラーコンボです。古いライブ盤らしく楽器ごとのバランスが悪くて、ピアノのソロなど隣の部屋で弾いているのを聴いているような塩梅ですが、ベースがはっきり聴こえるし、とにかくパーカーがくっきり聴こえるので問題ない演奏です。

B面1-2がレニー・トリスターノ・セクステットの演奏。リー・コニッツ、ウォーン・マーシュ(ts)がいます。ピアノはレニー・トリスターノ師匠。ほかビリー・バウアー(g)、アル・シュルマン(b)、ジェフ・マーチン(ds)です。Very Coolの記事でもちょっと触れましたが、トリスターノ楽派の典型的な演奏がここには収まっています。3-4はトリスターノ・トリオによる1946年の吹き込みで、テーマを対位法的に処理していたりして初期の実験段階として面白い試みですが、こういうのがジャズの主流にならなくてよかったとも思ったりします :-P

5曲目 "God Child" はクロード・ソーンヒル楽団の演奏で、リー・コニッツのアルトが聴けますが、その前に出てくるテナーもレスターの流れを汲むクールなサウンドで実に面白い。モダン・ビッグ・バンド初期の演奏です。

最後2曲は、そのクール派の開祖、本人はバップとは違う行き方をとりながらバップを飛び越えてバップ以降、それこそマイルスにまで影響を与えた巨人レスター・ヤングの演奏で、1946年のラジオ・ライブの吹き込みです。この音源は、まったく別のレコードで持っていましたが、それこそ何回聴き直したことでしょう。6曲目 "These Foolish Things" はレスター・バラードの頂点。肩の力は抜け、最小限の音数で最大限の効果を挙げるやり方は、元親分のベイシーと似ていますがレスターオリジナルの行き方です。最後の曲 "Lester Leaps In" レスターオリジナルの循環です。ここでの聴き物はレスター以外にも、ポピュラー・シンガーではなくジャズ・ピアニストとしてのナット・キング・コールがいます。

こう見てくると、油井先生の選曲でしょうが、実によく出来ていて、ビバップからクールへのスタイル変遷、そしてその大元となったレスターの名演と上手く編集されていることに、改めて驚きます。Vディスクの再発はその後CDでもなされたようなので、下にCD版をリンクしておきます。Vディスクは終了の方向みたいなのでお早めに。

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2007年08月10日

Bud Powell: Bud Powell (Roost)

Bud Powell Trio

レコーディングのせいか、それともリマスターやプレスのせいか、音の薄いレコード・CDというものがあります。特にアナログ時代は廉価盤や輸入盤の中に音の薄いものが多く、私の購入した範囲でも『カインド・オブ・ブルー』、『クールの誕生』、『マッセイホール』などジャズ史的に重要なものが含まれていて、聴いてもピンとこなかった記憶があります。CDに代わっていった当初もアナログそのまま、いやアナログよりも更に音が薄まったものなどが出されていてCDに対する懐疑を助長していました。現在では国内盤は言うに及ばず輸入盤でも音質に配慮したリマスターが主流となっているので、こうした心配は減っていますね。

今回紹介する Bud Powell (バド・パウエルの『バド・パウエル』ではあんまりなので、邦題では『バド・パウエルの芸術』となっています』)も、廉価アナログ盤で購入した時はあまりに音が薄くて遠く、数回聴いて飽きました。その後CD時代が来て、「それっ!」とばかりに買って聴いてみたけれどやっぱり音が薄くてがっかり。仕方がないのでアンプやスピーカーを買い、音量を上げて聴き、それでもダメな分はイマジネーションで補うようにしました。しかしながら現在出ている国内盤の中にはかなり音質にこだわったヴァージョンもあるので、このCDを買う場合は何ビットとか何キロヘルツなどとやかましく書かれた音質重視盤を求めたほうがいいかもしれません。

わが国でこのレコードが紹介される時に必ず引用されるのが、栗村政昭氏の「芸術的香気漂うバド・パウエルの最高傑作」、「モダン・ジャズ・ピアノのバイブルとされてよい至高の名演」というフレーズです。これは前半(A面)8曲について言われたもので、バド、マックス・ローチ(ds)、カーリー・ラッセル(b)のトリオによる1947年1月10日のこのセッションは神がかっています。 "I'll Remenber April" や "Indiana" はただただものすごい気迫で、「インディアナ」などテンポが速い(一説には320以上出ているといわれています)のでほとんど「ドナ・リー」状態(「ドナ・リー」の元歌が「インディアナ」)です :-) また "Somebody Loves Me" のくつろいだ魅力、"I Should Care" の原曲を超えた美しいバラード解釈。5曲目の "Bud's Bubble" はオリジナル曲、6曲目"Off Minor" はモンクの曲で、これまた名演。7, 8曲目の "Nice Work If You Can Het It", "Everything Happens to Me" はどちらもスタンダード。前者をチョッパヤ、後者をバラードとして演奏しています。

B面は1953年9月の吹き込みでジョージ・デュヴィヴィエ(b)、アート・テイラー(ds)とのトリオ。A面との間に横たわる6年間で、彼は精神病院への入院、麻薬常習の疑いによる逮捕と発狂、そして電気ショック療法と、繊細な芸術家にとって過酷ともいえる運命の連続を経験しました。その結果目くるめくテクニックは消えうせ、それを歌心でカバーするような感じになります。いわゆる後期のバドです。私は後期のバドも好きで、一連のヴァーヴ物とかゴールデン・サークルなども聞いていますが、それらに比べればずいぶんと前期の後期です(なんのこっちゃ?)ただ、13曲目のブルース "Bug's Groove" などは鬼気迫る演奏で、右手のメロディーと左手のコンピングがまったく別の展開をイメージしながら弾いているようです。14,15曲目のバラード2曲も後期の特徴が強くて、タッチの強弱が激しく、時に不安定な感じをかもし出しているところがやはり後期ですね。

下のCDはおそらく音質重視盤です。しかしもともとが古い録音で、おまけに7曲目なんかは途中で一瞬録音レベルが下がったりしていますからそういうところには目をつぶる「鈍感力」が必要かもしれません :-P

posted by G坂 at 22:37| jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月09日

George Wallington: At Cafe Bohemia (Prestige)

Cafe Bohemia

仕事に就いて時間的にも金銭的にも余裕が出来てきた頃、ジャズ喫茶通いを始めました。八王子が誇るジャズ喫茶「はり猫」には以前から行っていましたが、もうちょっと枠を広げて都内の有名店を廻ってみようと思ったわけです。とはいえ90年代後半はもはやジャズ喫茶の退潮期に入っていて、閉まっている店や「ジャズをかける喫茶店」に転身した店も多いなかで、やはりお聞かせ専門店としては四谷の「いーぐる」であり吉祥寺の「メグ」と「A&F」が昔ながらの私語禁止を貫いていました。特に吉祥寺は行きやすいので、吉祥寺に出ると、まずはディスクユニオンのジャズコーナーに行き、オーディオユニオンの2Fに移ってからは、レコード・CDを漁った後、買えもしない高級機材を下で眺めて、そのあとメグとA&Fをはしごし、帰りに駅ビルロンロンの2Fにあった新星堂とDISK INNを冷やかし、そのまま行ける2Fのこじんまりした改札を通って中央線に乗ってました。やがて大西さんのA&Fが閉店し、メグはメグで私語を解禁する代わりに喫煙を禁止したりして吉祥寺に行くこともめっきり減りました。今は地元のはり猫に顔を出すか、仕事帰りにいーぐるに寄るかぐらいです。

このアルバム Live! At Cafe Bohemia をはじめて聴いたのは初めてA&Fに行った時でした。今までに聞いたことのない、ビッグ・スターの演奏ではないけれど味の濃いハードバップにアルバム名をチェックしました。これを聴きながら、つくづく「これはジャズ喫茶で聴く名盤だなぁ」と思いました。ライブ盤で録音もヴァン・ゲルダーなのでライブの熱気がこちらまで伝わってくる。家のスピーカーで小音量で聴いていたのでは伝わらない熱気までジャズ喫茶の大型スピーカと大音量だとビンビン伝わるのが一つ。また名盤として知られていて、スイング・ジャーナルのシールも貰っているのですが、私のようにA級歴史主義的にコレクションをしていると、どうしてもプライオリティーが低くなるわけで、ジャズ喫茶ではこうしたB級の名盤やマニア向けのものなども公平に流してくれるの聴くことができたのです。

メンバーはジョージ・ウォーリントンのピアノにジャッキー・マクリーン(as)、ドナルド・バード(tp)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。ハードバップのスターたちです。録音は1955年9月。1956年の直前なので熱気は最高潮。どの演奏も熱気があり、全体が「ライブ・アット・カフェ・ボヘミア」という1曲に聞こえますが、特に好きなのが "Jay Mac's Crib"。ライナーで油井先生は「誰でも知っている曲」とおっしゃっていますが、ある名スタンダードのコード進行を使っています。いや、コード進行だけ借りているというよりも、ちょっと手直ししただけでオリジナルと言い張っているような感じです。サビのところは元歌と一緒。しかし、この元歌がマイナーキーで題名とは裏腹にさわやかではなくて哀愁が漂い、朝日というよりも夕日や夕暮れの似合う曲想なので、マクリーンやバードの味のあるソロと相性がいいわけです。元歌といえばラスト曲「ボヘミア・アフター・ダーク」は "Love Me or Leave Me"、「バードランドの子守唄」と一緒です。ここでも元歌のメロディーが平気で出ています。

このアルバムをA&F聴いて、早速帰りのロンロン2F新星堂でCDを購入しました。これを楽しめるようになった時、ちょうど一人で居酒屋を卒業して一人で小料理屋に入ることを覚えた時のような、なんともいえず、また一つ大人になったような気持ちになりました。現実にはまだ一人で小料理屋なんかには行けないんですが :-)

ジャケットは二種類あって、輸入版などではリーダーのウォリントンが中心のものと、上のジャケのように早朝のワシントン広場での記念撮影のものがあります。

posted by G坂 at 23:32| jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月08日

Barney Kessel: The Poll Winners (Contemporary)

The Poll Winners

自慢するようで恐縮ですが、このレコードは溝あり盤で持っています。購入金額は新品CDぐらいだったので、贅沢したわけではなく私も気づかぬまま、いつの間にか手元に来ていました。ジャズ・ギターに目覚めてギター入りやギターリストのアルバムを集めていた時にたまたま見つけたものです。ノイズは少しありましたが、クリーニングするとかなり減って音も蘇りました。そうすると見えてくるのがロイ・デュナンの録音の技です。ロイ・デュナンはレコーディング・エンジニアで50年代西海岸のコンテンポラリーレーベルを中心として数々の名録音を残しました。東海岸のルディー・ヴァン・ゲルダーが中音域にエネルギーを集めた創作的な録音スタイル(一説には、レコード購買層の再生システムを考慮して、そういう録りかたをしたといわれています)だったのに対して、ロイ・デュナンは左右に広く音場をとり、比較的色付けの少ない録音です。とりわけドラムの音が素晴らしく、このアルバムでも名手シェリー・マンの妙技が十分に録音されています。

ポール・ウィナーズは1956年度の『ダウンビート』、『メトロノーム』、『プレイボーイ』各誌における人気投票でポールウィナー(ナンバーワン)になったバーニー・ケッセル(g)、レイ・ブラウン(b)、シェリー・マン(ds)による臨時編成のトリオです。第1作がこのアルバム。しかし評判がよかったようで続編が何作か作られることになりましたが、一番魅力的なのはこの1作目だと思います。

A-1. Jordu
デューク・ジョーダンの曲で、ジャズメンがよく取り上げます。「笑っていいとも」で「チョイ悪オヤジ」コーナーというのがあって、そこでBGMに使われていました。かなりのアップテンポで、緊張感を持った演奏に仕上がっています。

A-2. Satin Doll
緊張感のある "Jordu" が終わってふっと一息ついたあと、リラックスしたミディアムテンポで始まるこの間がとても好きです。エリントンの曲。あまりにもリラックスして軽々と弾いているのでコピーしようと思い、ちょうど『ジャズライフ』にコピー譜が掲載されていたので試してみましたが、難しいこと難しいこと。見ると聞くとは大違いといいますが、聴くのとやるのとでは更に大違いだということが身につまされました。同時に、軽々とやっているように見えるものほど実は難しいということも実感としてわかりました。名演です。音のプレゼンスも非常によい。

A-3. It Could Happen to You
"Everything Happens to Me"とたまに区別がつかなくなる曲です。綾戸智絵と上戸彩ぐらい似ています。マイルスはわりと速めのテンポでやりましたが、ここではかなり速度を落としてくつろいだ演奏。ベースのレイ・ブラウンもよく歌うソロを取っています。

A-4. Mean to Me
ビリー・ホリデイの歌でも有名ですが、ここでは文字通り「小唄」として解釈したテーマからアドリブに入ります。こういう小唄の場合、ケッセルのソロは師匠のチャーリー・クリスチャンの影響がもろに出ます。この曲でも「チャーリー・クリスチャンじゃないか?」と思う瞬間が何度かあります。レイ・ブラウンの歌うようなソロに続いて4バースでシェリー・マンのドラムもよく歌っています。

B-1. Don't Worry 'bout Me
中盤ででてくるレイのベースソロが力強く音もよく捉えられています。

B-2. On Green Dolphin Street
独特のコード進行を持っているのでモダンジャズでよく取り上げられます。シェリー・マンがバッキングのドラムでものすごく歌って、ケッセルとの息もぴったり。レイのソロも冴えています。ビル・エバンス〜スコット・ラファロになって確立するインタープレイとはまた違いますが、トリオといってもここでは3人対等なのがスリリング。

B-3. You Go to My Head
バラードですが、テーマからアドリブまで、ギターとベースのインタープレイで進みます。これもレイ・ブラウンの実力を感じさせる演奏になっています。

B-4. Minor Mood
ケッセルのオリジナル。文字通りマイナーキーのハードバップ的な曲です。ここではギターとベースが4バースをやります。

B-5. Nagasaki
ずいぶん古い曲でベニー・グッドマンも演奏していました。かなりのアップテンポでケッセルのテクが全開です。

今回じっくり聴きなおしてみて、これはギターをやる人はもちろん、ジャズベースを目指す人にもうってつけのお手本だと思いました。ウォーキング、ソロ、あるいはメロディー楽器とのインタープレイなど様々なアイデアが詰まっています。そして、タイプはちょっと古いですがよく歌うドラムの魅力も忘れられません。

ジャケットはPoll (投票) Winnersがpole (棒くい) を持っているという洒落です。

posted by G坂 at 22:35| jazz | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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